「ビリーフリセット®︎」をゆる~く解説するシリーズ。
《1. ざっくり概要編》 《2. 原因編》に続き、3回目となりました。
「ビリーフ」については、
- なぜできたのか( ← 原因)
- 何のためにあるのか( ← 目的)
その両方を知ると理解が進みます。
今回は、何のためにあるのか、その「目的」についてのゆるゆる解説です。
「ビリーフ」の目的とは?
「ビリーフ」の目的、それは
生き残るため
です。(いきなり、結論)
ビリーフの多くは、「義務」や「禁止」といった「行動のためのルール」として頭の中に存在しています。そしてそのルールに基づいて、私たちは行動を選択しています。
↑↑↑ この辺りは、《1. ざっくり概要編》 をどうぞ。
では、 その「行動のためのルール」を破ったら?
敢えて「逆を選択」したら、どうなるの?
というのを、ちょっと想像してみましょう。
「行動のためのルール」逆を選択すると?
「〜〜しなければいけない」「〜〜してはいけない」
という「行動のためのルール」が、なぜ存在しているのか?それは自分にとって都合が良かったから。
どう都合が良いのか?それは、
その方が安全だから。
では、逆を想像してみてください。(ちょっと怖いとは思いますが)
もし、それをしなかったら?
あるいは、
もし、それをしてしまったら?
例えば、
- わがままを言ってはいけない → わがままを言ってみたら?
- 人に頼ってはいけない → 誰かに頼ってみたら?
- 明るくふるまわなくてはいけない → 笑顔も作らず過ごしたら?
- 周りに合わせなければいけない → 周りを気にせず好きに行動したら?
- 目立ってはいけない → 敢えて目立つことをしたら?
そんな…そんなことしたら……
「私は、〜〜になってしまう」
- わがままを言ったら… → 嫌われてしまう
- 人に頼ったら… → ダメなやつだと思われてしまう
- 笑顔を作らずテンション低いままでいたら… → つまらない人と思われてしまう
- 周りを気にせずに動いたら… → 自己中で変なやつだと言われてしまう
- 目立つことをしたら… → 批判され叩かれてしまう
・・・・・・・・・・・・しまう
・・・・・・・・・・・・しまう
「…しまう」「…しまう」が、頭の中でリフレインすることに。
そうなったら…
今やっていることが上手くいかなくなって、みんなに迷惑をかけて、周りの人たちにも嫌われて、人が離れていって、お客様や取引先からも苦情が殺到して、そうなったら仕事もクビになって、そしたら家族からも見放されて、お金もなくなって家賃やローンも払えなくなって、病気になっても誰も助けてくれなくて、ついにはひとりぼっちになって路頭に迷って、そして…そして…
ホームレスになって野垂れ死ぬ…
↑↑↑↑↑↑
これ、誰に聞いてもだいたいこんな感じ。
最後に行き着くところは、「孤独になって死ぬ」なんです。
全部、妄想ですよ~
つまり、そうなってしまったら怖いから、そうならないよう無意識に、
「ルールに沿った行動をとろう!」
とするんです。
その入り口となる最初のルールが、「〜〜しなければいけない」(←義務)や「〜〜してはいけない」(←禁止)であり、そのルールを守った結果、現実の行動は、
- わがままを言わないよう、自分の気持ちを我慢する
- 誰にも頼らず、ひとりで抱え込んで頑張る
- 無理に明るく振る舞い、楽しくもないのに笑顔を作り続ける
- 周りに合わせて、本当は嫌なものを受け入れる
- 目立たないよう、わざと地味にしたりダサくしてみる
に、なったりするわけです。
そしていつしかそのルール(自分のルール)が、世界共通のルールであるかのように錯覚し、ルールに反している人を見ては、
イラッ!
(私はこんなにルールを守っているのに!)
と、なるんですね。
そして、自分の感情や感覚を無視して、我慢したり嫌なことを受け入れたり頑張り続けると、それが日常化して「当たり前」「自分の基準」「デフォルト」となり、我慢していることすら気付かなくなります。
得たもの、手に入れたものは?
では、そうまでしてルールを守った結果、得たものは何でしょうか?
それは、 「安心」 です。
「私は、〜〜になってしまう」という「怖れ」「不安」、それがルールを守ることにより、
「~~に、ならなくてよかった」「そうならなくてよかった」
と、「安心」を手に入れることができ、「安全」な環境(世界)で生きていける。
《2. 原因編》 でも触れたように、ビリーフの目的は、その環境の中で「生き残るため」であり、幼少期に「勘違い」からできてしまった「生き残り戦略」なんですね。
ビリーフをリセットするには?
そんな勘違いからできてしまったビリーフ(自分を縛る否定的な考えやルール)をリセットするには?
その考えから解放され、行動を自由に選択できるようになるには?
それには、まず「私がその考えを持っている」と気付くこと。
脳内で「~~になってしまったらどうしよう・・・」と妄想が始まったとき、「あ、これって、ただの想像だ」と気付くこと。
そして次に、自分自身にこう問いかけてください。
「それは、本当ですか?」
それが、長いこと自分を縛ってきたその思い込み、硬い殻のような「ビリーフ」にヒビを入れる最初のステップとなります。
「生き残り戦略」なのに、なぜ生きづらいの?
ビリーフは、「生き残り戦略」として幼少期に作られたものです。その「生き残り戦略」が上手くいっている間は、何も感じません。
ではなぜ、「生きづらい」「苦しい」と感じるようになったのでしょうか?
それは、ビリーフによる「メリット」よりも「デメリット」の方が大きくなったから。
「ビリーフリセット®︎心理学」創始者である大塚あやこさんの喩えを借りると、
ビリーフとは、子どもの頃、自分を守るために着たお洋服。大人になって身体が大きくなったから、小さくて窮屈になってしまったもの。
そう考えると、「デメリット」の方が大きくなった今、もうそろそろ手放してもいいのでは?と、自然に思えますよね。
「生きづらい」「苦しい」のは、転換期にいるから
これを読んでいて「生きづらい」「苦しい」と感じているあなたは、きっと転換期にいます。
「本来の自分を取り戻して、新しい自分で、新しい世界で、新しいルールで生きていく」
その手前に差しかかっているのだと思います。ちょうどサナギが蝶になるように。
「ビリーフ」は、自分で自分にかけた「呪い」とも言われますが、子どもの頃から自分を守ってくれた「大切な自分の一部」でもあります。もし「ビリーフ」に意志や感情があったなら、きっとこう言っているでしょう。「役目が終わったなら、もう卒業させて」と。
ときめきの片付けで有名な、こんまりさんこと「近藤麻理恵さん」がその著書の中で、「モノを捨てられないのは、過去への執着か、未来への不安」と書かれています。
役目が終わったなら、「今までありがとう」と感謝して手放せばいい。
「ビリーフ」を手放す、リセットするというのは、それと同じではないでしょうか。
ビリーフをリセット(解体)するプロセスでは、過去に置いてきてしまった感情や「見たくない!」とフタをしたものと向き合うことになるので、怖かったり一時的にものすごく感情が揺れ動いたりしますが、明らかになってしまうと何も怖いものはありません。
ただ、頭の中で「怖れ」を想像しているだけだったり、原因となったものは「子どもの健気な愛」と「子を想う親の愛」であるということ。
そして現在の、その生きづらさ、苦しさは転換期だからこそ。もし今あなたが必要だと感じたなら、それはリセットするタイミングなのかもしれません。
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