自分を縛るネガティブな思い込み(ビリーフ)は、親(保護者・養育者)の影響だけで生まれるものではありません。実は「世間からの刷り込み」による影響も、とても大きいんです。
欧米と違い周囲との和を重んじる日本という環境では、世間一般の「当たり前」や「常識」がそのまま自分の「当たり前」「常識」になりやすく、
「~~してはいけない」←禁止
「~~するべきだ」←義務
という思い込み(ビリーフ)に囚われ、自分の力を発揮できなかったり個性を抑えてしまったり…ということが実に多いんですね。
親(保護者・養育者)からの、思い込み(ビリーフ)が生まれる背景はこちら↓
旧時代(20世紀、特に昭和)の代表的な刷り込み事例
かつては「当たり前」だった価値観による刷り込み事例を挙げてみます。
- あきらめてはいけない(←最後までやり切るのが大事!)
- 自己満足じゃダメだ(←相手の満足が大事!)
- 他人には優しく、自分には厳しく(←自分より周りの人に思いやりを!)
- 苦労や努力をしないと成功しない、人生は甘くないんだから(←努力してこそ成功する、苦労は買ってでもするべき!)
↑こういうの、子どもの頃からたくさん言われてきましたよね。
特に昭和時代は「自分でやる、自分で出来るようになるまで頑張る!」ことが良しとされ、努力と根性が尊いという価値観を誰もが持っている、そんな時代だったと思います。
「懐かしいなぁ、そんな時代もあったね」という感じでしょうか?それとも「え?今もそうだけど…」でしょうか?
新時代(令和)の価値観だとどうなる?
ではあらためて、上記の事例を現在(令和)の価値観で表現してみます。新時代の場合はこちら↓
・あきらめてはいけない
→ 自分にとって「違うな」と思ったらやめていい
・自己満足じゃダメだ
→ 自分を満たすのが最優先、周りは後から
・他人には優しく、自分には厳しく
→ 他人には優しく、自分には「もっと」優しく
・苦労や努力をしないと成功しない、人生は甘くないんだから
→ 苦労や努力で成功するほど人生は甘くない、「好き」で「得意」を「夢中」でやるから上手くいく
では、ひとつずつ解説していきましょう。
あきらめてはいけないの?
「絶対にあきらめない!」「Never Give Up!」の精神は大事です。でもそれが有効なのは、自分が心からそれを望んでいるときのみ。そうでない場合には、自分を追い詰めることになりかねません。
「あきらめる」の語源は、「明らかに見る」「明らかにする」「つまびらかにする」というもの。明らかにした上で自分にとって「違うな」「合わないな」と感じたら、さっさとやめていいんです。人は合わない環境では本来の力を発揮できないし、合わない(苦手な)ことを無理やり頑張ってみたところで、せいぜい人並みレベルにしかなりません。
「あきらめたらそこで試合終了ですよ。」の言葉は、本当に自分の心が望むもの、心から何かを成し遂げたいときに、自分に掛けてあげてくださいね。
自己満足はダメなの?
「それって単に自己満足じゃないの?」といった使われ方がよくあるように、「自己満足」という言葉にはネガティブなイメージがあります。でも、世界平和も人類の幸せも「自己満足から」と言っても過言ではないくらい、「自己満足」は最初の一歩なんです。
人は自分が満たされてこそ、他人にも優しくなれます。
自分が満たされていない(幸せでない)状況では、どんなに「みんなに優しくしよう!」「感謝の気持ちを持たねば!」と思っても、苦しいだけで到底無理。かえって心は枯れていくだけです。
成功した人や年配の偉い人がよく「利他の心」という話をされますが、それは若い頃にさんざん「利己」をやってきた上で辿り着いた境地です。自己犠牲の上での「利他」はそもそも無理なんです。でも、満たされている人からは余った分が勝手にあふれるため、優しさも感謝も自然にあふれ出てきます。「まず自分を満たす」を全ての人ができたなら、テロも戦争もなくなり世界は愛であふれるでしょう。
他人には優しく、自分には厳しく?
標語か?…というくらいに学校などで何度も言われてきた言葉ですが、これも無理があります。「自分に厳しいのに他人に優しくする」を続けていると、何だか自分が損をしているような気がしてきて、やがて相手に見返りを求めるようになってしまいます。
「私がこれだけ頑張っているんだから、あなたももっと頑張ってよ!」
「あの人だけ、ずるい!私はこんなに我慢してるのに…」
など満たされない気持ちが負のオーラとなり、それを(自分では気付かずに)周囲に撒き散らすことに。それって、周りから見ても迷惑ですよね。またむやみにハードルを上げ自分に厳しくすることは、「自己否定」にもなりやすいため要注意です。
「自己満足」と同じで、これからの時代は「他人には優しく、自分にはもっと優しく」ですね。
苦労や努力をしないと成功しない?
昔は「苦労や努力こそ大事!」と言われましたが、「苦労や努力だと感じる」のは「好きでも得意でもない」ことをやっているから。
人間には誰でも「苦手」と「得意」があります。
「苦手」なことは上手くできないだけでなく、それをするだけでかなりのストレスになります。また、頑張ったらそこそこできるようになるものもあれば、いとも簡単に出来てしまうもの(得意)もあります。
苦手なことや好きじゃない(熱がない)ことを続けるなんて、人間にはそもそも無理な話です。成功するのは「好き」で「得意」を「夢中」で継続するからこそ。「努力」は「夢中」には到底かなわないのです。世界で活躍する大谷翔平選手も、プロ棋士の藤井聡太さんも、傍から見たらストイックに努力しているように見えますが、ご本人たちはただただ「好き」で「得意」を「夢中」でやっていることでしょう。
未だに「苦労や努力が大事だ!」なんて言ってる人がいたら、「化石」か何かだと思ってスルーしましょう。
自分を満たし、「好き×得意」を分かち合う時代へ
時代の変化に伴い「当たり前」や「常識」がどんどんアップデートされていますよね。環境(住む世界)が変われば常識やルールが変わるように、時代と共にそれらは変化していきます。
物質的な豊かさや権威が大事だった「地の時代」から、心の豊かさや自由、個性に価値を置く「風の時代」へとすでに切り替わっています。古い価値観からは卒業して、自分を尊重し大切にする生き方へ。
自分の「好き×得意」を他者にあげ、苦手なことは他者に頼る、お互いにシェアし合う…そんな生き方をする人が今後はますます増えていくでしょう。
自分の「好き」と「得意」を見つけるには、質問シリーズがお勧めです。
「得意」の見つけ方はこちら↓
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